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2011.09.29 (Thu)

さわやかな秋の空気に「加齢臭」

秋だ。いい季節だ。
空気が乾いて澄んでいる。朝、駅への道を早足で歩いても汗ばむこともない。気持ちがいい。湿度の高い夏と違って、呼吸まで楽な気がする。太陽の光がぱーっと差し込んで、遠くまで、物の輪郭がくっきりと見える。

澄んだ空気に乗って、秋の匂いを鼻孔の奥に感じる。落ち葉の匂いだ。果実を実らせ、その一年の仕事の済んだ木々の、枯れた葉の匂いだ。
この枯れた落ち葉の匂いを嗅ぐと、農家で育った私は、もみ殻を焼く煙の匂いを思い出す。晩秋、刈り入れも脱穀も済んだ田んぼに山になったもみ殻に火をつける際、中にサツマイモを入れて焼き芋にした。もみ殻の煙の芳ばしい香りが芋に移り、とても美味しかったものだ。
そんな子供の頃の記憶もよみがえって来る、秋の空気だ。

駅へ向かう道、爽やかな空気を吸い込みながら思い出に浸っていると、枯れ葉の香りの中にふと違和感を感じる。何か異質な臭いだ。植物の匂いではない。動物から発しているのだろうか?すえた、不快な臭いだ。

前方に、白髪のご老人が3名、話しながら歩いている。筋力が弱まり、足運びが重そうだ。ゆっくりゆっくり歩を進めている。ときおりぐらぐらと揺れながら。
ああ、この臭いは彼らの「加齢臭」だ。

「加齢臭」。
植物が果実を実らせ、次の世代を生み出すために種子を残すという、その一年の仕事を終えた後に葉が枯れて落ちるのと同じく、人間も子孫を残す「繁殖」の役割を終えた者からは、枯葉と同様に枯れた匂いが漂ってくるのだ。そして動物の場合は多くの植物(木々)のように何年にも渡って種子をつける、というわけにはいかず、繁殖可能な年月は限られている。
つまり繁殖可能な時期を過ぎた者は、残酷な言い方だが、生物的にはその機能を終え、もう死んだと同様なのだ。

「加齢臭」とは、死の国の臭いだ。生物としての役割を終えた者が黄泉の世界に身体半分踏み入れたり戻ってきたり・・・その黄泉の国の臭いを身体に付けて持ち帰って来ているのだ。

そんなことを考えながら、ゆっくりゆったり歩くご老人たちを追い抜く。朝の通勤時間帯なのだ。私も急いでいる。
追い抜く際に、風が私の方に吹き、加齢臭が一段と強く漂う。

改札を通り、駅に入る。あのご老人たちの臭いが鼻の奥に付いているのだろうか?ずっと加齢臭が漂っている。そんな気がする。気のせいなのかもしれないが。

電車に乗り込む。朝の当駅始発の列車だ。乗客は車両に数人、ぱらぱらといるだけだ。
シートに腰を下ろす。発車時刻が近づくにつれ、乗客は増え、一杯になったところで発車ベルが鳴る。

エアコンの風に乗って、まだ加齢臭が漂っている。周りを見回すが、若いビジネスマン、OLさん、そして学生で一杯だ。加齢臭を発するような年配の乗客は、少なくとも私の近くには見当たらない。なのに時折り、ぷんと臭う。鼻に付いて離れないのか・・・。

あっ!
そこで私は悟る。
先ほどから私の鼻の奥に付いて離れない加齢臭、それは、、その発生元は、、、


私だ。


う~ん、朝から自分で自分がクサい!




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