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2013.12.21 (Sat)

〈目撃〉駅のホームでギョニソ男

※「ギョニソ」とは、「魚肉ソーセージ」の略です。

その男は、午前10時の都営浅草線新橋駅の上りホームに立っていた。

すでに通勤ラッシュの時間は過ぎており、ホームにはパラパラとまばらに人がいるだけ。その中で180センチを超える大柄な身体は目立っていた。年の頃は30代半ばといったところか。サイズの合わなくなった、疲れた感の漂うスーツを身にまとっている。正面から覗く白ワイシャツの腹のところがだらしなく膨らんでいて、日頃の不摂生が窺える。

次の電車はまだしばらく来ない旨のアナウンスがあった。
男はホームの対岸を見つめたまま、背広の内ポケットに手をやり何やら取り出した。

1本の魚肉ソーセージだ。なぜそんなところに入れている?

続いて別の手を今度は背広の正面の胸ポケットに突っ込み、取り出したものは工作用のハサミ。子どもが小学校で使うような、刃先の丸っこい、あれだ。取っ手が水色だ。
なぜそんなものを持ち歩いている?

男は前方を向いたまま、慣れた手つきでそのハサミで魚肉ソーセージのチューブの端っこをちょっと切った。そのままその手でハサミを元の胸ポケットに戻す。ここまで一連のスムースな動作だ。

そしてその切れ目のところをつまんで、フィルムをすーっと半分ほど器用に裂き、出てきたピンク色の魚肉にかぶりついた。
続けざまに3口ほど齧ったが、裂いたフィルムは切り離さずにそのままにしている(←ここ、注意!)。リボン状にくるくると垂れ下がっている。

そのままさらにフィルムを剥いて全部食べるのかと思った。これが忙しい彼の朝食なのだと想像した。電車が来るまでのわずかな時間に済ませてしまうのだ、と。

ところが・・・。


●●●
3分の1ほど齧ったところで、彼は残しておいたリボン状のフィルムを器用にくるくると巻いて魚肉の断面のところを覆い、そのまま素早く身体を屈めて足元に置いたカバンの中に丁寧にしまった。

まだ次の電車が来る気配は無い。電車が来たから途中でやめたのではない。

再び何事も無かったように前方を向いたまま立ち尽くし、電車を待つ「ギョニソ男」。
彼の意図は読めない。


(消化不良のまま、完)

魚肉ソーセージ
写真はwebより勝手に拝借しました


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テーマ : 日々のつれづれ ジャンル : 日記

21:56  |  通勤電車で観察  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)  |  編集  |  Top↑
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