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2015.06.18 (Thu)

〈宴会の方はよろしかったでしょうか?〉

日本屈指のサラリーマン飲み屋街、東京は新橋。夕方も5時を回ると、まだ日が高いうちから、客引きのお兄ちゃんたちが角々に繰り出してくる。
会社帰りとおぼしきサラリーマンに次々と声をかけて行くわけだが、そのセリフがわけがわからない。

『宴会の方(ほう)はよろしかったでしょうか?』

たしかしばらく前は、『宴会はいかがですか〜?』だった。これも随分おかしな言い方だが、〝当店での宴会を薦めている〟という意図はわかった。

たぶん、これに「もっと丁寧に言わなきゃ」と思った奴がいて、コンビニのレジやファミレスあたりでお客の注文を確認する際によく使われる「○○でよろしかったですか?」を真似て、次のように言い始めたのだろう。これも少し前によく耳にした。

『宴会はよろしかったですか?』

「よろしかったですか?」と過去の言質を確認するような質問をされても、お兄ちゃんとは今初めて会ったのだから、何も答えようがないのだが。

さらに、これをもっと丁寧にして、『宴会はよろしかったで〝しょうか?〟』を始めた奴がいて、そしてあるものすごく気の効いた奴が、これもまたファミレスあたりで丁寧言葉として常識となっている「○○の方(ほう)」を採用し、現在の形に至ったのだろう。

『宴会の方(ほう)はよろしかったでしょうか?』

非常に違和感がある。まるで、「〝宴会〟の他に何かよろしいものがある」と私がお兄ちゃんに事前に告げていたかのようだ。例えば「マッサージ?よろしいよろしい。人妻系だとさらによろしい。え?宴会? う〜ん、むにゃむにゃ(聞き取れない)」。そこでお兄ちゃんは確認のために顔を寄せて『宴会の方(ほう)はよろしかったでしょうか?』と聞き直す、みたいに。繰り返すが、お兄ちゃんと会うのは今が初めてだ。

そもそも「よろしい」という言葉が、「あってよろしい(肯定)」なのか「無くてよろしい(否定)」なのかを明確にせず、真意は文脈の中で忖度するという日本語独特の言い回しなので、お兄ちゃんの勧誘の言葉はますます意味不明なものになる。

まあ、とにかくお客さんを自分の店に誘っているのだということは、こういう言葉遣い自体が「記号」となって、わかる。大した店ではない、ということも確実に伝わる。

(終り)

新橋夕方

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テーマ : 日々のつれづれ ジャンル : 日記

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