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2015.12.22 (Tue)

〈ノンバーバル・コミュニケーション〉加齢臭の男たち

臭い。たまらなくクサイ。
何が?
自分が臭い。自分で自分が臭いのだ。

ただでさえ加齢臭の酷い年代。加えて慢性の内臓疾患を抱えているし、歯も悪い。おまけに神経内科の病気で自律神経がおかしくなっていて、肌の汗腺が機能不全で老廃物が詰まる。

妻が、たまりかねて近所に住む知人に紹介してもらい、特別な消臭のスプレーを手に入れてきた。店頭販売はしていないものなのだそうだ。

これを、朝、出かける前に手首とか耳の後ろに、少量を吹きかける。オーデコロンの要領だ。臭い消しの効果はあるのだろうか? 自分ではよくわからない。コロンのような華やいだ香りは無いが、おそらく消臭のための主成分なのだろう、独特の薬品っぽい匂いがちょっと気になる。

時々、通勤の途中で、自分と同年輩の中年男性とすれちがった際に、そのスプレーと同じ匂いが、ぷんと漂うことがある。
「あ、この人も同じ成分のスプレーを使っているのだ」と思う。おそらく、その男性も同じように私のことをそう認識していることだろう。「あ、この人も・・・」と。
一瞬、互いに目が合うこともあるのだ。

しかしながら、その男性の体臭がそのスプレーによって消えているのかどうかは、わからない。男性からすると、私自身の臭いについても同様だろう。

つまり、このスプレーの本来的機能である〝消臭〟については、その働きはよくわからないが、しかしながら使用者同士が「この人も体臭で困っているのだ」と互いを認識し合うという機能を、確実に果たしているのだ。

臭いを消すためのスプレーが、皮肉にも、臭いに悩む人の目印(鼻印?)として機能している、というわけだ。

同じ消臭スプレーを使う臭い男同士が人ごみの中でお互いの存在を認め合い、すれ違う一瞬に、ノンバーバルな会話を交わす。
「おや、貴殿もニオイでお困りですか。例のスプレーの香りですぐにわかりましたよ」
「おやおや、御同輩。お互い、苦労しますな。はははは」
「わたしはいつも息子から『道路に落ちている腐ったリンゴの臭いがする』なんて言われてますよ」
「うちなんか娘から『夏の日の散らかったごみ収集所のそばを歩いていてカラスに頭突きをくらった時の臭いだ』なんて言われます。『雨に濡れた捨て犬の毛から立ち昇るむせかえる蒸気の臭いにはほのかに排泄物の香りが混じる』とも」
「ほほう、えらく文学してらっしゃいますなあ」
「ええ。『お前、ソムリエになれるぞ』っていつも言ってます」



このような会話を、一瞬の間にノンバーバルで交わすのだ。

(終り)

クサイ仲
図はwebより拝借したものを加工しました。


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テーマ : 日々のつれづれ ジャンル : 日記

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